断熱蓋の有無 断熱材種類の違いによる、アルミ溶湯の保温性能調査
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株式会社INUI 提案事例 №6
提案先
アルミダイカストメーカー様
課題
保持炉の上に断熱蓋を置くことで、
どのような保温効果があるのか調査したい。
また断熱蓋の素材を変更することで、
保温効果にどのような影響があるのか、確認したい。
提案
ダイカスト鋳造で使用するADC12を使用し、アルミ保温試験を行う。
蓋の有無、断熱材の種類を変更して温度ドロップを調べ、
試験結果を報告する。
弊社は耐火物・耐火断熱材を使用する現場にお伺いし、
現地調査をもとに改善提案をすることを得意としています。
会社を始めて17年になりますが、日々提案活動を続けていく中で、
さまざまな分野での提案事例が積みあがってきました。
耐火物業界では、こういった提案事例を紹介しているサイトはとても少なく、
ユーザー様の課題や解決事例をお届けすることで、
皆様の業務に貢献できないかと考えました。
本ブログでは公表できる範囲で、提案事例をお伝えできればと思っています。
可能な限り、毎週更新を行います。
アルミダイカストメーカー様より、
省エネのために保持炉の蓋を検討しているが、
断熱蓋の有無や、断熱蓋の種類によってどのよう溶湯の保温効果が
あるのか知りたい。との依頼がありました。
実機で試験するのは時間と手間がかかってしまうため、
まずは、簡易試験にて方向性を確かめることにしました。
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アルミ保持炉 イメージ
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アルミ保持炉の上に断熱蓋を置いて、
温度低下を防止する企業が増えている。
下記のような方法で試験を行いました。
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ダイカスト鋳造で使用されるADC12を使用し、
溶湯温度が730℃になるまで溶解。
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予熱した黒鉛坩堝を用意して、所定の量のアルミ溶湯を流しこむ
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K熱電対を使用して経過時間ごとの温度を計測
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断熱蓋の有無
断熱蓋の種類を変更して経過時間ごとの温度を計測
【試験条件】
以下の4条件で試験を行い比較。
(1) 鍋蓋無し
(2) 鍋蓋あり AFボード (アルミナファイバーボード)
(3) 鍋蓋あり 新規アルミ保持炉用高断熱ボード(マイクロポーラス系ボード)
(4) 鍋蓋あり 鍋蓋あり (アルミナファイバーブランケット)
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溶湯アルミの保温試験結果
結論
蓋があることで、アルミ溶湯の温度低下は大きく抑制できる。
素材によって温度低下には差がある。
1、マイクロポーラス系ボード
2,アルミナファイバーブランケット
3,アルミナファイバーボード
4,蓋無し
上記の順番で温度低下抑制効果が高い。
今回新規アルミ保持炉用高断熱ボードの新たな提案として、熱伝導率の低いマイクロポーラス系ボードを試験してみたが、この製品は断熱性能は高いが強度が低い。この素材を保持炉用として使用するには工夫が必要。
以下のような報告書を作成して提出しています。
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ユーザーさまのご要望にあわせて、評価試験等も行います。
上記の報告書についても提出可能です。
是非、お気軽に下記より問い合わせください。
問い合わせ先
/https://inui-coating.com/contact/
電話の場合は下記にご連絡ください
TEL 0569-35-2955 担当:大野
弊社は既存製品を販売するだけでなく、
ユーザー様の課題にあわせた開発・提案を得意としています。
お困りごと等ありましたら、お気軽にご依頼いただければ幸いです。
ユーザーさまの課題に合わせて、都度開発致します。
もしお時間ございましたら、
是非、下記リンクより他の提案事例もご覧ください。
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