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技術資料Vol.1:セラミックファイバーとは? ~セラミックファイバーについての概論~

 今回のブログでは、セラミックファイバーの概論として、セラミックファイバーについて簡単にまとめることにした。高温産業に従事される技術者の方々には是非参考にしていただきたい。

 セラミックファイバーとは、文字通りセラミックでできたファイバー(繊維)のことであり、人工的に造られたものを指す。セラミックファイバーは化学的な安定性に特徴があり、セラミックファイバーを成形した製品、例えば、ブランケットやブロック、ボードなどの製品は、鉄鋼や窯業、化学、エネルギー、自動車、建材、航空宇宙関連など広汎な産業で使用され、その低い熱伝導率を活かし主に断熱材として利用されている。

 セラミックファイバーとは、上記でも記述したがセラミックでできたファイバーのことを指す。そのため、研究者や使用者によって定義が異なることが多く、炭化物繊維や窒化物繊維、ホウ化物繊維を含む場合もある。

しかし、主に耐火物の業界ではアルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)で構成された酸化物繊維とされる場合が多く、高温用断熱材として主に用いられる。このセラミックファイバーは、アルミナとシリカの含有量によってさらに区分され、アルミナの含有量が60%以下の非晶質なセラミック繊維をリフラクトリーセラミックファイバー(Refractory Ceramic Fiber:RCF)、アルミナの含有量が70%以上の結晶化したセラミック繊維をアルミナファイバー(Alumina Fiber:AF)と定義している。また近年、体内に吸引された場合に分解・排出される特徴を持った生体溶解性ファイバー(Bio Soluble Fiber:BSF、別名アルカリアースシリケート(Alkaline Earth Silicate:AES)ウール)も開発されており、セラミックファイバー成形体の中でも特に加熱収縮率が大きいこと、成形体の靱性が低いこと、耐食性に劣ること、という課題はあるものの健康リスクが小さいため注目を集めている。これらセラミックファイバーの特性を簡単に表にまとめるので参考にしていただきたい。

 また、鉄鋼業界などの工業炉で断熱材として使用されるRCFやAF、BSF成形体は、断熱性以外に耐スポーリング性にも優れるため、急速加熱や急速冷却も可能とし、作業の効率や適用箇所の自由度の改善にも貢献している。しかし、加熱による成形体の収縮、脆く機械的な強度の欠乏、耐食性が低いなどの問題により、製品寿命の低下による定期的な補修が必要とされている。特にRCFとBSFでは加熱収縮による隙間の発生や化学的浸食による成形体の損傷が大きな課題となっている。

 今回のブログでは、セラミックファイバーを概論的にまとめた。次回のブログではRCFについて深堀した話題を提供していくため、ぜひ参考にしていただきたい。