アルミ低圧鋳造専用コーティング材 リフテクトLP 提案事例#2
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/アイキャッチ-1.jpg)
お世話になります。INUI大野です。
本日はINUIが得意とする、超ニッチな用途でのコーティング材についてご紹介します。
国内大手、低圧鋳造のお客様より、
低圧鋳造で使用される堰入れ子(湯口カップ)の部分の溶損、
アルミの付着で困っているとの相談をうけました。
非常にわかりづらいのですが、下記は低圧鋳造の簡略図です。
黄色丸の部分が堰入れ子(湯口カップ)と言われている部品です。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/黄色丸-名称明記.jpg)
メーカーによって堰入れ子や湯口カップといわれる部分なのですが、
ここからは便宜上、呼び方を堰入れ子で統一します。
ストークから入ってきたアルミが、
堰入れ子によって金型に広く分配して注湯されます。
とてもわかりづらい表記になってしまいますね…
この部分は機密の部分が多いので図示するのも難しく、
このような表現になってしまいます。
ただ、低圧鋳造のユーザーさまであれば、わかっていただけると思います。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/堰入れ子に変更.jpg)
上記は堰入れ子部分の拡大図です。
堰入れ子のアルミ溶損、アルミ付着防止を改善したいとの、
ユーザー様からの依頼をうけ、堰入れ子専用のコーティング材を開発しました。
製品名をリフテクトLPといいます。
話が横にそれてしまいますが、リフテクト(reftect)は
弊社コーティング材のブランド名です。
refractories(耐火物) + protect(保護) を組み合わせた造語です。
リフテクト + 〇〇
この〇〇の部分を用途によって変えています。
今回は低圧鋳造向けの製品なので、
リフテクトLP(low pressure casting) からつけました。
そのままですね…
話を元に戻します。
今までの堰入れ子には、溶損防止としてコーティング材が塗布されていたのですが、
アルミ離型効果が十分ではありませんでした。
通常、アルミ離型コーティング材は、
アルミが付着したときに、自らもはがれることで離型効果を持続するのですが、
低圧鋳造は一回の生産ロットが長いため(数百ショット)
コーティング材が剥がれ落ちてしまい、
離型効果が持続しないという欠点がありました。
従来コーティング材と、リフテクトLPの違いを表した図が下記になります。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/無題の画像-1024x691.png)
薄皮がはがれるように、コーティング層が離型することで、
離型効果の長寿命化を図っています。
コーティング材が少しづつはがれることで、
アルミの離型効果が発現するのであれば、
コーティング材が厚ければその分離型効果が持続すると思うのですが、
コーティング材は金属に使用されることが多いため、金属の膨張にさらされます。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/スクリーンショット-2023-05-06-172211.jpg)
コーティング層の厚みが多いと、金属の膨張に追従できず、
コーティング層が剥離してしまいます。
そこで、コーティング層は薄いまま、
かつ、アルミの離型効果が持続させなければならない。
という課題がありました。
その課題を解決するために、コーティングに使う粒子を特殊な板状とすることで、
薄皮をはがれるように少しづつはがれることを可能にし、
コーティング層は厚くならず、離型効果の長寿命化可を実現しました。
リフテクトLPは堰入れ子の溶損防止のために、コーティングを厚く塗布しているが、
溶損防止効果と引き換えに、コーティングの剥離が発生し、
異物混入の原因となっている。ユーザー様にもおすすめのコーティング材です。
離型効果が長時間持続することで、下記の溶損防止効果があります。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/溶損防止-1024x719.png)
溶損防止に加えて、リフテクトLPには下記3点の副次的な効果があります。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/合格率-1024x667.png)
堰入れ子には、異物混入防止のためにフィルターを設置することが多いのですが、
堰入れ子にアルミが付着していると、フィルターがしっかりと固定できず、
鋳造時にフィルターが製品に混入してしまうという問題がありました。
リフテクトLPでアルミの溶損・付着防止を実現することで
フィルターがしっかりと固定され不良率低減に貢献できます。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/作業効率-1024x636.png)
堰入れ子に付着したアルミを取り除くのは、非常に手間がかかり、
低圧鋳造の作業性の悪化要因となっていました。
低圧鋳造はサイクルタイムのうち、手使い時間が多くをしめているため
この部分を削減することで、生産性を大きく向上できます。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/危険作業-1024x652.png)
付着したアルミを取り除く作業は、熱い金型を前に行わなければならないため、
危険作業になってしまいます。
堰入れ子のアルミ付着を押させることは、危険作業の低減にもつながり、
作業の安全性に貢献できます。
リフテクトLPにより、堰入れ子の溶損、アルミ付着を防止することで
1、不良率の低減
2,作業性の向上
3,作業の安全性の向上
上記の3つの効果が実現できます。
ここまで書くといいことばかりと思われそうですが、リフテクトLPにも欠点があり、
一回の生産ショット数が1100回を超えるような、
低圧鋳造のユーザーさまでは効果が上がっておりません。
600~800ショットでありましたら、実績がございます。
現時点では、このあたりのショット数がリフテクトLPの限界点と考えています。
無料サンプル提供可能です。
お気軽にご用命ください。
カタログや、提案書類もございます。
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/スクリーンショット-2023-05-06-174454-753x1024.jpg)
(リフテクトLP カタログ)
![](https://inui-coating.com/wp-content/uploads/2023/05/スクリーンショット-2023-05-06-174353-1024x719.jpg)
(リフテクトLP提案書類 全10P)
追記:リフテクトLPは水性のコーティング材になります。
1㎏単位にて販売可能です。
ご興味を持たれたユーザー様は
是非下記ページより、お問い合わせください。
/https://inui-coating.com/contact/
ユーザー様のご要望にあわせ、都合改良、改善を繰り返しています。
お困りごと等ありましたら、お気軽にご依頼いただければ幸いです。
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