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アルミ低圧鋳造専用コーティング材 リフテクトLP 提案事例#2

お世話になります。INUI大野です。
本日はINUIが得意とする、超ニッチな用途でのコーティング材についてご紹介します。

国内大手、低圧鋳造のお客様より、
低圧鋳造で使用される堰入れ子(湯口カップ)の部分の溶損、
アルミの付着で困っているとの相談をうけました。

非常にわかりづらいのですが、下記は低圧鋳造の簡略図です。
黄色丸の部分が堰入れ子(湯口カップ)と言われている部品です。

メーカーによって堰入れ子や湯口カップといわれる部分なのですが、
ここからは便宜上、呼び方を堰入れ子で統一します。

ストークから入ってきたアルミが、
堰入れ子によって金型に広く分配して注湯されます。
とてもわかりづらい表記になってしまいますね…


この部分は機密の部分が多いので図示するのも難しく、
このような表現になってしまいます。
ただ、低圧鋳造のユーザーさまであれば、わかっていただけると思います。


上記は堰入れ子部分の拡大図です。
堰入れ子のアルミ溶損、アルミ付着防止を改善したいとの、
ユーザー様からの依頼をうけ、堰入れ子専用のコーティング材を開発しました。

製品名をリフテクトLPといいます。
話が横にそれてしまいますが、リフテクト(reftect)は
弊社コーティング材のブランド名です。

refractories(耐火物) + protect(保護) を組み合わせた造語です。

リフテクト + 〇〇 

この〇〇の部分を用途によって変えています。
今回は低圧鋳造向けの製品なので、
リフテクトLP(low pressure casting) からつけました。
そのままですね…

話を元に戻します。

今までの堰入れ子には、溶損防止としてコーティング材が塗布されていたのですが、
アルミ離型効果が十分ではありませんでした。

通常、アルミ離型コーティング材は、
アルミが付着したときに、自らもはがれることで離型効果を持続するのですが、
低圧鋳造は一回の生産ロットが長いため(数百ショット)
コーティング材が剥がれ落ちてしまい、
離型効果が持続しないという欠点がありました。

従来コーティング材と、リフテクトLPの違いを表した図が下記になります。

薄皮がはがれるように、コーティング層が離型することで、
離型効果の長寿命化を図っています。

コーティング材が少しづつはがれることで、
アルミの離型効果が発現するのであれば、
コーティング材が厚ければその分離型効果が持続すると思うのですが、
コーティング材は金属に使用されることが多いため、金属の膨張にさらされます。

コーティング層の厚みが多いと、金属の膨張に追従できず、
コーティング層が剥離してしまいます。

そこで、コーティング層は薄いまま、
かつ、アルミの離型効果が持続させなければならない。
という課題がありました。

その課題を解決するために、コーティングに使う粒子を特殊な板状とすることで、
薄皮をはがれるように少しづつはがれることを可能にし、
コーティング層は厚くならず、離型効果の長寿命化可を実現しました。

リフテクトLPは堰入れ子の溶損防止のために、コーティングを厚く塗布しているが、
溶損防止効果と引き換えに、コーティングの剥離が発生し、
異物混入の原因となっている。ユーザー様にもおすすめのコーティング材です。

離型効果が長時間持続することで、下記の溶損防止効果があります。


溶損防止に加えて、リフテクトLPには下記3点の副次的な効果があります。

堰入れ子には、異物混入防止のためにフィルターを設置することが多いのですが、
堰入れ子にアルミが付着していると、フィルターがしっかりと固定できず、
鋳造時にフィルターが製品に混入してしまうという問題がありました。

リフテクトLPでアルミの溶損・付着防止を実現することで
フィルターがしっかりと固定され不良率低減に貢献できます。

堰入れ子に付着したアルミを取り除くのは、非常に手間がかかり、
低圧鋳造の作業性の悪化要因となっていました。
低圧鋳造はサイクルタイムのうち、手使い時間が多くをしめているため
この部分を削減することで、生産性を大きく向上できます。

付着したアルミを取り除く作業は、熱い金型を前に行わなければならないため、
危険作業になってしまいます。
堰入れ子のアルミ付着を押させることは、危険作業の低減にもつながり、
作業の安全性に貢献できます。

リフテクトLPにより、堰入れ子の溶損、アルミ付着を防止することで

1、不良率の低減
2,作業性の向上
3,作業の安全性の向上

上記の3つの効果が実現できます。

ここまで書くといいことばかりと思われそうですが、リフテクトLPにも欠点があり、
一回の生産ショット数が1100回を超えるような、
低圧鋳造のユーザーさまでは効果が上がっておりません。

600~800ショットでありましたら、実績がございます。
現時点では、このあたりのショット数がリフテクトLPの限界点と考えています。

無料サンプル提供可能です。
お気軽にご用命ください。

カタログや、提案書類もございます。


(リフテクトLP カタログ)

(リフテクトLP提案書類 全10P)

追記:リフテクトLPは水性のコーティング材になります。
   1㎏単位にて販売可能です。

ご興味を持たれたユーザー様は
是非下記ページより、お問い合わせください。

/https://inui-coating.com/contact/

ユーザー様のご要望にあわせ、都合改良、改善を繰り返しています。
お困りごと等ありましたら、お気軽にご依頼いただければ幸いです。


本ブログでは、弊社が今まで提案してきた、様々な事例を公開していく予定です。
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