鋳造中の溶液温度低下の原因と問題、対策法について
鋳造をする際に、重要なポイントの一つが「溶湯が流れていく際の温度」です。
溶湯の温度が低くなってしまうと、金属が流れにくくなってしまい、様々な問題が生じる原因となります。
そこで、こちらの記事では、鋳造時の溶湯温度低下が生じる理由と防ぐべき理由、溶湯温度を維持するための方法についてご紹介致します。
鋳造中に溶湯温度低下が生じる原因
溶湯は炉の内部で高温によって液体状になりますが、鋳型の中を通過していく内に、通路の壁に触れてしまうことで温度が少しずつ低下していってしまいます。
そもそも、金属は種類ごとに何度で液体になるのか異なっています。取鍋内では金属を高温にすることで、ドロドロに溶かして流していきます。
しかし、金属が固体になる温度も決まっています。そのため、通路を移動していく内に、通路の壁面と接触してしまい、溶湯の温度が少しずつ低下していってしまうのです。
溶湯温度低下によって生じる問題
溶湯の温度が低下することで、以下のような問題が生じてしまいます。
溶湯が流れにくくなる
金属には融点というものがあり、一定温度以上になることで固体から液体になります。
しかし、溶湯の温度が低下してしまうとドロドロの液体状であった金属は少しずつ、固体に戻っていってしまいます。溶湯の温度が下がって凝固していくに伴い、粘性と表面張力が高くなってしまいます。
粘性とは名前の通りねばり気の強さであり、高いほど粘り気のある液体で、壁面に張り付きやすくなってしまいます。
また、表面張力とは分子が引き寄せ合う力のことです。高いほど、物質は小さくまとまろうとするため、液体上の金属は凝縮して、まとまりのようになってしまいます。
上記のような原因で、溶液は鋳型に流し入れる前に固くなってしまい、綺麗な製品に仕上がらなくなってしまうのです。
湯境、湯じわなどの欠陥ができてしまう
鋳造の際に溶湯の温度が低いことが原因で、湯境や混じわという欠陥ができてしまい、見た目が悪くなってしまいます。
溶湯の温度低下が生じると、金属は液体から固体になり、流れにくくなってしまいます。そして、流動速度が遅くなってしまうために、金属内部に酸素が入ってきてしまい、膜ができてしまいます。
それが原因となって、小さなシワや溝のような跡が残ってしまうのです。鋳造欠陥が残ってしまった製品は最悪廃棄しなければなりません。
廃棄によるコストや無駄を少しでもカットするためにも、溶湯温度低下は防がなければなりません。
鋳造の溶湯温度低下を防ぐための対策法
溶液温度の低下を防ぐためにおすすめの方法が、「リフレクトリド(reflect Lid)」を取鍋蓋に付けることです。
リフレクトリドは、簡単に取り付けができる取鍋専用断熱ボードになります。導入することで、熱が取鍋の外へと逃げづらくなり、温度低下を防ぐことが可能です。
溶湯を高温のまま維持できるようになれば、湯境などの欠陥を失くせます。これによって、製品の品質向上にも貢献します。
鍋専用断熱ボード「リフレクトリド」の強み
以下のような強みが挙げられます。
・軽量で取り外しが簡単にできる
・頑丈で、壊れにくいため交換の手間やコスト削減が可能
・温室効果ガスの削減にも貢献
リフレクトリドは耐久性に長けており、高熱環境で長時間使ってもヒビ割れなどが生じにくいです。そのため、交換頻度を減らし、作業がストップしてしまう回数や、交換に必要なコスト/人員の削減も可能です。
このような取手も付いているため、導入から普段の開け閉めまでスムーズに行なえます。
上画像のような付属パーツで簡単に取り付けができます。所要時間はおよそ5分程度と、交換にもほとんど時間はかかりません。
SDGsへの配慮
リフレクトリドは、近年話題となっているSDGsのうち、以下の目標を達成しています。
・ 8 働きがいも経済成長も
・ 12 つくる責任つから責任
・ 14 海の豊かさを守ろう
・ 15 陸の豊かさも守ろう
このことから、環境にも徹底的に配慮された信頼性の高い製品であると言えます。
まとめ
・溶湯の温度低下は加熱が不十分なために、通路の壁面と液体状の金属が触れてしまい、流れが悪くなることで生じる
・溶湯の温度低下によって、湯境や湯じわという欠陥ができる原因になってしまう
・軽量な取鍋蓋専用断熱ボード「リフレクトリド」を取り付けることで、溶湯温度の低下を防ぎ、品質向上やスムーズな作業、コストカットを実現可能
このように、溶湯の温度低下は製品の品質低下の原因です。そのため、温度低下を妨げるためにもリフレクトリドの導入かおすすめになります。
もしも、溶湯の温度低下でお悩みでしたら、サンプルのレンタルから可能です。まずは株式会社INUIまでお気軽にご相談ください。